取付説明と配線図


取付説明

ALTON社が発行している英文の取付説明書(購入時に添付)を翻訳し、交流発電機を取り付ける際の説明をします。

 

ACG01~ACG09の一般的注釈

手動でALTON発電機を回すと、ノッチ(切り欠き)感のある回転に気付くと思います。これは正常な動きです。というのは、ALTON発電機は永久磁石方式を採用しているので、従来のダイナモの動作方式とは根本的に異なります。発電機もダイナモもメカニカル・パワーを回転運動に変えます。しかし、ダイナモは、手で回したときに励磁されていなければ自由に回転します。それに対し、発電機は自由に回転しません。ALTON発電機を取り付けたとき、スムースにそして静かに回転することを確認してください。

 

AGC01~AGC09の共通取付事項
バイクに元々付いているギアなどのドライブ・トレインが正常であることを確認します。ドライブ・トレインの取付状態が悪かったり、取り付け位置がズレていたり、摩耗している場合には、ALTON製品を取り付ける前に、専門家に見てもらってください。
ALTON交流発電機を、Lucasダイナモがあった位置に正しく取付後、元々使われていたクランプや取付部品を使って固定します。次に、スペーサ、キー、プーリー、ドライブ・ピニオンまたはスプロケットを、キットに同梱されている新品のネジ(6mm x 15mm)や特別大きなワッシャーを使って仮留めしてください。そして、アライメント、ギアの噛み合い、発電機の自由な回転を二重にチェックしてください。もし、僅かに位置変更をしたい場合、クランプ・ストラップを少し緩め、ALTON発電機をちょっとずらし、再度アライメントなどを確認します。上記の事項がきちんとなされれば、ピニオン・ネジを本締めします。その後、前に取り付けた中央固定ネジ(5mm x 35mm)を外します。


ACG01の取付
ALTON発電機に取付済のPD15ポリアミド・ピニオンを使うことをお勧めします。もし、元々のメタル・ピニオンを使いたい場合は、歯の摩耗などがない良質なものであることを確認してください。
ALTON交流発電機を、Lucasダイナモがあった位置に正しく取り付けます。この際、プライマリー・チェーンとのクリアランスが適切に保たれていること。必要に応じて、クラドル(Cradle 受け台)の下にシムを噛ませてチェーンとのクリアランスを調整します。
シリーズCの場合、クラドル ET221とクランプ ET176/2を、ナット・ワッシャー G72とともに使います。
シリーズBの場合、アダプター ET202とクランプ ET176/1を、ボルト ET177、フック・ナット ET185、ボルト・ピボット ET178、ナット・ワッシャー とともに使います。
油切り(oil thrower) PD28とスプロケットのみ取り付け、適切なアレン・スクリュー・ドライバーを使ってアレン・スクリュー(両側のネジは5mm x 25mm、中央ネジは6mm x 15mm)を固定します。

ACG02の取付
タイミング系のドライブ部品のアライメントが適切で摩耗などないことを確認します。もし、不具合があるようだったら、専門家に正しく修正してもらってください。
クランプ ET176/2、ナット E222と142、スタッド E109/5とE109/10、ワッシャーを使います。
ALTONのスプール・スプロケットと3.2mmのキーを、M6 x 16のアレン・スクリューとワッシャーで固定します。このとき、スプール・スプロケットとアイドラー・ギア ET50のクリアランスが、どの位置でも適切に保たれていることを確認してください。クリアランスを調整するには、オイル・シール E224を使うのではなく、シーリング・コンパウンドを使います。

ACG03の取付
上記の「共通取付事項」にしたがって取り付けます。ベルト・テンションは、クランピング・ストラップを緩め、発電機のどの回転位置でも適切であることを確認します。その後、プーリー取付ネジをきちんと締め付けます。

ACG04の取付
上記の「共通取付事項」にしたがって取り付けます。さらに、クランピング・ストラップを固定するときは、同梱された40mm x M5のネジを差し込み、締め付けます。

ACG05の取付
ALTON交流発電機を、Lucasダイナモがあった位置に正しく取付後、元々使われていたクランプや取付部品を使って固定します。次に、ALTON交流発電機がマグネト本体の上に位置したら、クランピング・ストラップに5mm x 35mmネジを取り付けてしっかりと固定します。そして、キーとドライブ・ピニオンを、同梱された6mm x 12mmネジと特別に大きなワッシャーを使って固定します。その後、アライメント、ギアの噛み合い、マグネトとALTONのアマチュアの自由な回転を確認します。上記の「共通取付事項」にしたがって作業後、マグネトはエンジンに再取付が可能となります。

ACG06(V-Belt type)の取付
ALTON交流発電機には、Vベルトと2個のプーリーが付属しています。発電機のドライブ・ケースには、オイルやグリースがついたままにしないでください。Vベルトのテンション調整は、クランピング・ストラップを緩め、発電機のどの回転位置でも適切であることを確認します。そのあと、上記の「共通取付事項」にしたがって作業します。

ACG06(Chain type)の取付
ALTON交流発電機には、ALTONのドライブ・シャフトに適合する代替スプロケット(11T)が付属しています。上記の「共通取付事項」にしたがって作業した後、ドライブ・チェーンにグリースを適量塗布します。

ACG07の取付
19Tのスプロケットが付属しています。ドライブ・チェーンのコマ数を1~2個、増やす必要があるかもしれません。上記の「共通取付事項」にしたがってください。

ACG08の取付
上記の「共通取付事項」にしたがってください。クランピング・ストラップを取り付ける際には、同梱されている3個の50mm x M5のネジで締め付けます

ACG09の取付
上記の「共通取付事項」にしたがってください。クランピング・ストラップを取り付ける際には、同梱されている50mm x M5のネジで締め付けます。


配線図

ALTON社発電機を購入すると、配線図は製品に同梱されますが、ここでは購入を検討されている方のために、ALTON社が発行している配線図を掲載します。なお、ALTON社は予告なしに発電機を改良する場合があり、これにともなって配線が変更されることもあります。最新の配線については、ご購入時に添付します。

接続の確認

導通性を確実にするため、接続やワイア延長には適切な端子を使用してください。

アースについて
① 両極性の場合
 ・整流器の黄線をALTON発電機の黒線に接続する
 ・整流器のもう1本の黄線をALTON発電機の他の黒線に接続する
   (どの黄線をどの黒線に接続してもいいです)

② positive(+) アースの場合  下記の配線図を参照
 ・整流器の黒線をアンメータに接続する
 ・整流器の赤線をアースする

③ negative (-)アースの場合  下記の配線図を参照
 ・整流器の赤線をアンメータに接続する
 ・整流器の黒線をアースする

配線にあたっては、十分注意してください。12Vバッテリーを取り付ける際には、どの線がアースとなるのか、記録したりマークを付けたりしてください。バッテリー線の逆接続は、整流器に修理不可能な損傷を与えます。ALTON交流発電機は、このような逆接続に耐えるようには設計されていません。バッテリーへ誤配線による損傷は、ALTON社の交流発電機の2年間保証の対象外となります。

重要なお知らせ
1. バッテリーについて
ALTON交流発電機を英国バイクに取り付けても、バッテリーなしで走行できるということではありません。推奨は12Vでレンジが10~14アンペア・アワーです。容量が大きければ大きいほどいいです。購入価格が少々高くても、長い目で見れば、バッテリーの寿命は長くなり、システムへの負荷が低減するので、結果的に経済的です。
もし、バッテリーなしやバッテリーの接続不良で走行すると、整流器が損傷し、その結果、ALTON発電機に潜在的なダメージを与えます。また、故障したバッテリー、弱ったバッテリーを使用すると、過充電を引き起こし(過度な発熱となる)、発電機の内部部品を破壊してしまいます。
たまにしかバイクに乗らないのであれば、乗る前に十分にバッテリーを充電してください。あるいは、「トリクル(細流)チャージャー」(smart tricle charger)の取り付けと使用をお勧めします。これにより、バッテリーの寿命も延びます。ALTON発電機は、出荷前に1台ごとの十分なテストをしていますので、上記のような状態での使用による損傷は、ALTON社の交流発電機の2年間保証の対象外となります。
安全性や操作性の観点でいえば、クルージング・スピードかそれ以上の場合、ライト点灯した方がいいです。バッテリー寿命も、多少延びます。ALTON発電機は、こうした使用に耐えられるように設計されています。

2. 電力について
連続走行におけるALTON発電機の発電レートは90W、最大で150Wです。90Wであっても、最も調子のいいLucasダイナモと比べて1.5倍以上もあります。一般的には、45/55Wのヘッドライト、21/5Wのテールランプ、スピードメータのパイロット・ライトの10Wが要求されます。バイクがコイル・イグニッション方式であれば、さらに10~15W増を要求されます。これらの電力に加えて、さらにより多くの電力が要求されることもあります。高電力の補助ランプを取り付けようとするなら、こうしたランプ類の合計電力を計算し、問題がないかどうかをチェックしてみてください。ランプ類や他の付属品の電力が不明なら、製造元に確認してください。

3. 整流器について
同梱されている整流器は、positive(+) アース/negative (-)アースのどちらにも対応しています。発電機を取り付けるバイクが、どちらであるか確認してください。

Positive (+) アース


Negative (-) アース